マーケットからはドルは更に上値を試すとの見方が根強です。先週の米生産者物価指数(PPI)や米消費者物価指数(CPI)はインフレ上昇の長期化を示唆する強い内容となりました。FRBは、インフレ上昇は一過性とのスタンスを変えていないが、先週のインフレ指標を受けて市場には、資産購入ペース縮小の加速や早期利上げ開始など、FRBはより積極的に行動する必要に迫られるとの憶測が広がっています。
市場からはユーロドルの更なる下落の可能性も指摘されています。ECBがFRBや英中銀と比較して、利上げ開始までの距離が遠いことのほか、ユーロ圏経済への懸念が高まっているという。エネルギー価格高騰、感染再拡大の予兆、そして、不動産市場の混乱による中国経済の減速懸念がユーロ圏の成長を圧迫するという。ユーロショートを推奨しており、ユーロドルの目先の下値ターゲットは1.13ドルとしています。
ポンドドルは1.34ドル台半ばまで買い戻される場面もみられた。ただ、上値が重い雰囲気に変化はない。一方、市場からはポンドに強気な見方も出ています。対ドルでは未知数だが、対ユーロでは上昇の可能性が高いという。市場は、先日の英中銀金融政策委員会(MPC)を受けて、早期利上げ期待を後退させている。その中で、北アイルランド議定を巡って英国とEUが緊張を高めており、EUが、英国が北アイルランド議定書の一部を停止した場合は報復すると警告しています。