たまに旬を過ぎたアスリートや、すっかりテレビで見かけなくなった芸能人が、自己破産したというニュースを見ることがありますが、そんな人達でも破綻する直前まで高級車を乗り回したり、ブランドものの洋服を身につけていたりしています。
庶民からすれば一財産を築いたのだから、特に贅沢をしなければ一生楽に暮らせるだろうにと思えてなりませんが、彼らは借金をしてまでも生活レベルを落とさない、いや、落とせないようです。
例えば、月収50万円で家賃15万円のマンションに住んでいたがリストラされたため、転職し 再就職先では月収が30万円にまで落ちたとします。
普通なら、この時点で家賃も10万円もしくはそれ以下に落とさなくてはやっていけないところです。 ところが、人間は一度贅沢な生活をしてしまうと生活水準を下げるのが難しくなってしまいます。これには「ラチェット効果」が大いに影響していると考えらます。
ラチェット効果とは、「人間の消費行動は、現在の収入よりも、過去最も高かった時の収入の水準によって左右されやすい」 という学説で、もちろんセレブな芸能人だけでなく、一般人でも陥りやすい罠のようです。
特に、自営業者やボーナスの増減が激しい業界など、収入の振り幅が大きい職種の人に多く見られます。どんなに意志が強い人でも、一度いい夢を見たら忘れられないものですね。
